テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
【Hirona Side】
「お待たせ」
パスタのいい香りと一緒に澪君と蒼君がリビングに戻ってきた。
私はちょうど、春翔君と悠君をそれぞれ三連敗ずつさせたところだった。
「澪ちゃん!紘那ちゃんほんまに強いんやで!!俺なんて、一体しか倒せへんかった」
春翔君が澪ちゃんに報告をする。
「俺なんか、一体も倒せなかった」
並べられたパスタの皿を見ながら悠君もボソッと呟く。
「俺強くなったらまた紘那ちゃんとバトルしたいわ。なーなー、アドレス交換せぇへん?」
春翔君が私に向かって携帯を差し出した。
「……俺も。なんか悔しい」
悠君まで。
「えーお前ら何回やっても変わんねーよ。それに紘那困ってるじゃん」
澪君は口を尖らせて二人を睨みつける。
「ええやないかぁ。なぁ、紘那ちゃん?」
春翔君が悲しそうな顔で私を見つめる。
「は、はぁ。」