テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
私が頷くと、春翔君は嬉しそうにアドレス交換の準備を始める。
「じゃあ、ついでに俺も」
蒼君まで一緒になって携帯を開く。
澪君はふいっとそっぽを向いてしまった。
ふかふかのソファーの上で体育座り。
まるでいじけた子供みたいだ。
私は澪君と交換した時のように、一人ずつアドレスを交換していく。
「あ!紘那ちゃんのアイコン、澪ちゃんのうちわ持っとる!!」
春翔君は大げさに騒ぎながら私のアイコンを覗き込む。
「隣の子は悠君のやで!」
悠君はされるがままに春翔君に揺すられていた。
「これ、10月の横浜アリーナの公演でしょ?」
蒼君が、春翔君の携帯を覗きながら言った。
私は頷く。
「こうやってファンの子たちのおかげで、俺たちは少しずつ大きくなれてるんだよなぁ。本当に感謝しなくちゃいけないよね」
感慨深そうに話す蒼君はとても優しい顔をしていた。
春翔君や悠君、そして澪君も静かに頷く。
私はこの、Shootingのファンを大切にしてくれるところが大好きだ。
4人のファンを思う気持ちがコンサートによく反映されているのを私は知った。
サインボールを投げたり、ファンのすぐそばまで来たり、ハイタッチしたり…他のグループじゃあまりないファンサービスをしてくれる。
それは、Shootingからファンへの恩返しなんだ。