テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
「そういえば澪ちゃん、ドラマの調子はどう?」
悠君がパスタの皿から顔を上げて首を傾げた。
その瞬間、澪君と春翔君と蒼君は「あ」という顔をして、シラーっとした目で悠君を見つめた。
悠くんはキョトンとした顔でメンバーの顔を見つめる。
「あの…まだ公表してないんだよね、ドラマのこと」
遠慮がちに言う澪君に、悠君は次第に顔を青くしていく。
「やっべ。……ごめん紘那ちゃん、ネタバレしちゃった」
悠君は申し訳なさげに眉を八の字にして、両手の平を合わせる。
やっぱり、澪君ドラマやるんだ。
前にお家に来たとき台本読んでたもんなぁ。
「大丈夫だよ。誰にも言わないから」
私はあえて、ドラマのことを知っていたとは言わないことにした。
澪君、きっとあれでも隠してるつもりだっただろうしね。