テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
澪君が有名になると、出演番組も一気に増えた。
ドラマの番宣もあったし、『今話題のアイドル俳優』の名を掲げて出演しているものもあった。
澪君が忙しくなっていくのに比例して、彼からの連絡も減っていった。
大変なのも知ってるし、疲れてるのもちゃんと分かってる。
でも、いつも澪君からのメッセージを待つ自分がいる。
澪君が私のこと忘れちゃったらどうしよう。
私より好きな人ができちゃったら?
それで捨てられちゃったらどうなるんだろう。
そんな考えが浮かぶのも頻繁になってきた。
信じてないわけじゃないんだけどね。
テレビの中で、笑ったり、話したりする澪君が、ものすごく遠くに感じてしまって、置いていかれてしまったような、そんな気持ちになってしまう。
そんな私にフォローを入れるように届くのは、春翔君からのメッセージ。
『澪ちゃんのドラマ見た?』とか、『新作のゲーム予約した?』とか、くだらない話ばっかりだけど、正直嬉しかった。
『澪ちゃん、紘那ちゃんに会いたがってたで。なかなか連絡もできへんから辛いって。』と、そんな嬉しい言葉もたまにあって、私はなんとか元気にやれている。