テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
リビングに近づくほど、楽しそうな話し声が聞こえてきた。
おかしいな、訃報じゃないのかな。
探偵気取りで私は頭をひねる。
じゃあ、お母さんかお父さんの友達…とか。
私はリビングの扉を開けた。
冷え切った廊下と、ストーブで温められた部屋の気温差で、身体がピリピリしびれた。
いや、本当はそんなことは痺れの原因じゃなかったのかもしれない。
「おかえり、紘那」
ずっと、ずっと聞きたかった声に、私の目が熱くなった。
まさか…