テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
だって、私の所持金は正味0円。
帰りの交通費はICカードにチャージしたもので払おうと思っていた。
現金はみんなグッズ代に消えていた。
インターネットカフェに泊まることさえできない。
終わった…
たとえここで一晩寝て、朝一で帰ったとしても100%お母さんに怒鳴られる。
夜の冷え込みが激しくなってきた10月中盤。
私の体力がもつかもわからない。
こんな格好じゃ、絶対具合悪くなるし…
絶望感と涙が込み上げる。
私はなんて愚かで馬鹿なんだろう…。
「あちゃー、もう終電ないかぁ。タクシーだな」
ふとそんな独り言が聞こえ、私は顔を上げる。