テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
クリスマスは君と
「ふぁぁぁぁ!!」
目をキラキラ輝かせながらあちこちを見渡す澪君。
本当に雪が降るのかというくらい綺麗な青空の下、私たちは人混みに紛れて遊園地に足を踏み入れたところだった。
「俺ね、ここくるの小6ぶりなんだ!」
興奮気味に話しながら笑う澪君が本当に愛おしい。
ハットの奥で細くなった目に、私も思わず顔を綻ばせる。
「今までで一番幸せなクリスマスと誕生日になるよ、きっと……ん、いや、絶対」
澪君はすでに繋がれていた手を恋人繋ぎにし直すと、少し照れ臭そうに前を向く。
「絶対、俺が幸せなクリスマスと誕生日にするよ」
んっ、いつもにも増してかっこいい…!!
「ありがとう」
私がそう微笑むと、澪君は「あ!」と何か思い出したかのように急に早歩きになった。
私の手をしっかり握って、グイグイ引っ張る。
「俺、これ付けたいの」
澪君に連れられてやって来たのは、パーク内のショップだった。
見上げるのは、パークのキャラクターをモチーフにしたカチューシャやら帽子やらが綺麗に並ぶ棚。
澪君の手には”カップル“という設定のキャラクターのキャップが1組あった。
「これかぶるの?」
私は澪君が可愛らしい耳付きのキャップをかぶる姿を想像してぷっと噴き出した。
だって、すごく可愛いんだもん。