テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
俺はこのことを包み隠さず所長に話した。
倉持緩の人柄についてはよく知られた話で、所長はすぐに俺のことを信じてくれた。
ただ、ものすごく心配なのは紘那だった。
このことが紘那の耳に入るのは時間の問題だ。
なるべく早く、本当のことを話しておかなくちゃ。
そう思い、紘那に電話をかけるのだが、彼女は一向に電話に出ない。
…嫌われちゃったのかな。
がっかりさせちゃったのかな。
俺は同じことをメンバーに話し、この日は夜のロケを中止して家に帰った。
紘那からいつ電話があっても出られるように。