テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
【Mio Side】
「なぁ、澪」
雑誌の取材の控え室。
メンバー四人でリラックスモードの中、蒼が切り出した。
「あの写真のことなんだけどさ…なんか、おかしくね?」
…確かに、俺もずっとそう思っていた。
俺の腕に、倉持緩が腕を絡めてきたのはほんの一瞬。
そうなることを分かっていて、狙いすましていなければ、あんな写真は撮れないはずだからである。
ということは、芸能人のスキャンダルをこぞって取り上げる雑誌のカメラマンが撮ったと考えるより、倉持緩と繋がった誰かがこの写真を撮ったと考える方が正しいと考えられる。
「…今日、倉持緩もここにいるみたいやで」
携帯ゲームをしていた春が顔を上げた。
右手で金髪の髪をかきあげて、「俺は、乗り込んで問いただしてやってもいいんやで?」とニヤリと口元を歪ませた。
「そうだよ。紘那ちゃん、可哀想だし。それくらいしてやってもいいだろ」
珍しく悠まで賛成するものだから、俺もびっくりしてしまった。
悠の目は鋭く光っていた。