テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

さっきよりも顔をあげた私はライブ会場で買ったグッズをちらりと見る。



「あ、ライブ来てくれた子だったんだ。こんなにたくさん、ありがとう」




「いえ、そんな」





ん?





ありがとう?





なんか、おかしくない?





私はぱっと目の前にしゃがみ込む人物を見つめる。




それは間違いなく、


いや、間違いようもないけれど、



東雲澪、ご本人だった。


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