テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

「……そんなとき、こいつが『あることを手伝ってくれたら、芸人として活躍できるように事務所がしてくれる』って、そう言われて。俺はみっくんを売ってでも有名になりたかったんだ」


望はそこまで言うと、へなへなと床に座り込んだ。


「でも俺は間違ってた」


力なくそうこぼした。
その一方、そんな望を見て、倉持は得意げに鼻で笑った。


「使えないわね。…私は東雲澪が欲しいの。あの記事で、彼女と別れちゃえば、澪君は私のものになってくれるでしょ?
倉持緩の彼氏が東雲澪ってすごく良くない?
Shootingのブランド付きなんだよ?
澪君だって、緩のこと可愛いと思うでしょ?
それに、一般人と付き合ってるってばれるより、今話題のモデルと噂になった方がいいに決まってるわ」


嫌な笑みを浮かべながら倉持緩は言った。
ツンとした瞳で俺らを見つめる

俺はふふと笑みをこぼした。
…俺たちの勝ちだ。


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