テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
澪君はある扉の前で立つと、ポケットから鍵を出して鍵穴に差し込んだ。
ドアノブを捻ろうしてから、澪君は動きを止める。
ゆっくりと私を振り向く。
「ここの場所とか、いろいろ…他の人には内緒にね?」
そう言って右手の小指を立てて私の方へ差し出す。
指切りげんまん………!?
さ、触っていいの!?
え!?
触っちゃうよ??
私は恐る恐る同じようにして小指を出すと、澪君はそれを絡めとり、上下にぶんぶんと振った。
「約束ね?」
いつものきらきらアイドルスマイルとは少し違った笑みに私はとろけそうになりながら頷いた。