テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

【Mio Side】


シャワーを浴びながら、「俺は今何をやってるんだろう」と息をつく。

高校生のファンの子を家に連れて帰るなんてどうかしている。


でも、嬉しかったんだ。



だって…



俺はあまりグループ内で人気がない。

ファンの子はいるが、とても少ない。

グッズの売り上げも良くない…というか、悪い。


コンサートの時、ファンの子たちを見ると蒼君や悠、春のうちわばかり。

あまり気にしないようにはしてるけど、やっぱり自分の名前を探してしまうのだ。


そんな中見つけたのは俺の名前。


『指差して』の文字。


嬉しすぎて大サービスしてしまった。


今日一番の心の救いだった。

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