テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
「ただいまー」
そう言いながらリビングへ戻る。
テーブルには画面を閉じたゲーム機。
ソファを見ると、座ったまま下を向いて眠っている紘那を見つけた。
「こんな格好で寝て、首痛めるよ」
俺はそっと突くけれど、紘那ちゃんはぴくりともしない。
俺は紘那ちゃんをそっと抱き上げると、ベッドの上に運んだ。
肘でドアを開けながら、一歩一歩音を立てないように神経質に歩く。
ベッドにゆっくりと紘那ちゃんを降ろすと、毛布を肩がすっぽり隠れるくらいの高さまでかける。
風邪引いたら大変だからね。
俺は音を立てないように電気を消すと、そのまま部屋を後にした。