テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
【Hirona Side】
いい匂いがする。
味噌汁と、ご飯と…なんだろう。
はっと目が覚める。
見知らぬ天井に見知らぬ部屋。
見知らぬベッドに頭がごちゃごちゃになる。
あれ、私……
紺のカーテンを開くと、眩しい陽射しが部屋中に広がる。
窓の向こうは高層ビルの立ち並ぶ大都会だった。
あ、そういえば…
めちゃくちゃに絡まっていた記憶が少しずつ解かれていく。
そうだ。
私は終電を乗り過ごして、澪君に助けてもらったんだ。
それで、澪君がお風呂上がってくるのを待ってたら、寝ちゃったんだ。
これで、人間やることがないといつでも眠くなるということが証明された。