テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
電話番号と、チャットアプリのアカウントを登録し合う。
『東雲澪』
といたってシンプルなアカウント名とアイスを持った蒼悟君と澪君のツーショットのアイコン。
プライベートで特に仲良しなのは蒼君なんだろうな。
偽物じゃない。
本物…。
私は速攻でお気に入り登録すると、顔を上げた。
澪君は「これ可愛いね」と言いながら私に画面を向けた。
画面に移るのは私のアカウントのアイコン。
私のアイコンは昨日のコンサート前に、まひるちゃんと撮ったプリクラだった。
私の手には澪君、まひるちゃんの手には蒼悟君のうちわがそれぞれ握られている。
私は恥ずかしくなって、「見ないでくださいっ!!」と慌てふためく。
そんな私を知らんぷりして、彼は画面を見続けている。