テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
私は畳の床にごろんと転がった。
私の部屋の壁はほとんど澪君のポスターやら写真やらで覆い尽くされており、本棚は澪君が載った雑誌がいっぱいに詰め込まれている。
ペン立てに立てられた、去年のライブで買った澪君の顔が印刷されたうちわを紗乃はひょいと取り上げるとパタパタと扇ぎ始める。
「あ、やめてよぉ」
私は紗乃からうちわを取り上げようとする。
「もし、紘那がこのまま澪君澪君言ってたら、一生独身で孤独死だよ?」
ちょっぴり真剣な顔で話す紗乃に私は身震いをする。
「うぅ、それはちょっとやだ」
「でしょ!?」
紗乃は満足気に笑いながら、「私は心配なの」と私に囁いた。
紗乃が私を心配してくれているのは分かる。
だって異常だもん、自覚あるし。
ありがたいことだっていうことも分かるけど、私はやっぱり澪君が好きだ。