テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

まだ回っている感覚が残る中、私はまた澪君にエスコートされて白鳥を降りると次の乗り物を探す。


絶叫系の乗り物が苦手な私は小さな子供が乗るようなアトラクションばかり選んだ。


「本当に紘那ちゃんって子供だよね」


おかしそうに笑う澪君。

いくまるに言われたら塾のバッグで殴っているところだけれど、澪君だと許せてしまう。



「子供っぽい女の子って可愛い」



ほら、またそうやって。
私の勘違いを促進するような無意識発言をする。
天然男子あるあるなのかな。


「澪君ロリコン?」


「だったらどうするー?」



いたずらっ子のような顔をして、彼はちろりと舌を出す。

アイドルだ。


「引く」


「引かないでよー!小さい女の子が恋愛対象な訳じゃないよ!決してね!!」



必死に弁解する澪君。
すごく怪しい。


それにしても周りは澪君によく気づかないものだ。


すっぴんで帽子をかぶれば分からないものなのかな。

いや、私なら気づくけど。
< 61 / 240 >

この作品をシェア

pagetop