テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
部屋に戻って携帯を開くと、15分前に澪君からメッセージが届いていた。
『ラジオの収録終わった。
今から蒼君と焼肉(^^)』
焼肉かぁ。
いいなぁ、美味しそう。
澪君は焼き肉のタレ派かな、塩派かな…?
『楽しんできてね!
私は冬休みの補習回避のために数学頑張る』
私は指を画面の上で走らせると、机に数学の教科書を開いた。
でもすぐに分からなくなる。
眉間にしわを寄せても、鼻と唇の間にシャープペンを挟んでも答えは出てこない。
なーちゃんに聞こうかなと立ち上がって、私はまた椅子に座る。
なーちゃんは数学がびっくりするくらいできないんだった。
あー、こんなんじゃ駄目なのに。
ベッドにゴロンと横になる。
ぶーっ
携帯の通知音に、私は手を伸ばして少し遠くに置かれた携帯を手に取る。
『数学苦手なの?
家帰ったらビデオ電話で分からないところ見てあげるよ』
携帯を手にしばらくの硬直。
それから送り主を再確認する。
澪君…!!
あの澪君が教えてくれるなんて。
信じられない!!