テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

うっ、
みるみるうちに急上昇する体温。


「う、嘘!」


私は思わず叫ぶ。


『嘘じゃなーいしー』


口を尖らせる澪君は意地悪な顔をしていた。
それから突然、澪君はずいっとカメラに顔を寄せた。
画面が澪君でいっぱいになる。


『ねね、今度いつ会える?』


澪君はこてんと首をかしげた。
それに合わせて髪の毛も一緒に動く。
澄んだ瞳に見つめられて、私はもうドキドキが止まらない。


「いつって?…来年のコンサート?」


『えぇ!?待てないよぉ〜』


私の答えにぷくーっと口を膨らませる澪君。

ななななにこの展開。
ついていけなさすぎて涙さえ滲んでくる。
私のちっぽけな頭では到底理解しきれない状況である。
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