スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-


昼間、私のことを猫扱いして口うるさいと言ったのは忘れてあげようかな、なんて偉そうに考えていたら、ちょっとしたいたずらを思いついた。

振り回してくれたお返しをさせてもらおう、と。

識嶋さんの忠告に私は笑みを作って、声にする。


「頑張りますにゃ」


そうすれば、自分の発言を思い出したのか識嶋さんは驚いた表情で目じりを赤く染めて。


「別に、あれには深い意味はないからな」


またしても言い逃げ。

彼は扉を強く閉めて忙しない足音を立てながら行ってしまった。

そして思うのです。

ああ、これがツンデレというやつか、と。

















< 110 / 202 >

この作品をシェア

pagetop