スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-

Floor 20



暴行罪で警察に身柄を拘束された内山君の自宅の壁には、私の写真がいくつも貼られていたと、担当の刑事さんから聞いた。

無言電話もメールも全て彼からだったことも明らかになって。

内山君が逮捕されてから三日。

ようやく私はストーカー被害によるストレスから解放されたのだった。

しかし、それはつまり──

ついにやってきてしまったということだ。


識嶋さんとの生活が、終わる時が。


識嶋さんからは何も言われていない。

出て行けとも、まだいていいとも。

何の話もされていない。

それどころか、あれから忙しくて識嶋さんと顔を合わすのは社内でのみとなっていた。

そんな中。


「えっ、今週のですか?」

「そう。土曜があいつの誕生日」


残業を終え、帰宅する為に鞄に資料の入ったファイルを差し込んでいたら、相馬先輩から思わぬ情報を入手した。

どうやら今週の土曜は識嶋さんの29歳の誕生日らしい。



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