スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-
男は友人から話を受け何度か優花ちゃんに雇われて仕事をしていること。
そして、今回は……
「一緒に住んでる女を痛めつけて、あんたが仕組んだように言えって頼まれたんだよ」
私がターゲットだったと、話した。
私が識嶋さんを不信に思い、二度と近づかないようにしろと、指示されたと。
鈍器で頭を殴られたような気分だ。
まだどこか信じられないでいる私の横で、しきしまさんは誰かに連絡をする。
しばらくすると玄関から黒服の男性が2人入ってきて、私を襲った男を連れて出て行った。
多分、識嶋家のボディーガードだろうと考えていると、私の口に貼られていたガムテープが識嶋さんの手によってゆっくりと剥がされていく。
痛くないようにと気遣ってくれているのがわかって、その優しさと、大事に至らなかったことに安堵した私はポロポロと涙を零した。
「わ、悪い。痛かったか?」
勘違いした識嶋さんに、首を振ってみせると彼はまたゆっくりとガムテープを剥がして私の肌から取ってくれる。
次いで、口の中の布も取り出すと、私の様子を伺う。