スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-
識嶋さんは額をくっつけたままの体勢で。
「好きだ」
飾らない言葉で想いを零した。
心配なことはあるけど、彼と未来を憂うことはないのなら、これ以上気持ちを押し込め続ける必要はない。
私は、頬が熱くなるのを感じながら、ずっと秘めていた想いを声にのせる。
「……私も、好きです」
彼と同じく、飾らない言葉を。
体の内側で心臓がバカみたいに暴れていて。
ようやく伝えられた喜びに思わず涙が目尻に滲むと、識嶋さんの顔が少しだけ傾く。
ゆっくりと目を閉じれば柔らかく触れ合う唇。
お互いの気持ちを込めたキスは、熱く、心地良く。
とても甘くて、くらくらした。