スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-
考えながら聞いたもんだからうっかり納得しかけたけど、ちょっと待って。
社長がギャンブル的なお話をしていて、しかもそこに私の存在が入ってるんですが。
「君ならあいつを変えてくれるんじゃないかとな」
い……いやいやいやいやいやいやいや!
私が識嶋さんを変える!?
なんて分の悪いギャンブル!
「そんな、私は別に友達作りが得意とか上手いとか、とにかく期待されるような人間ではないですから!」
まさか居候を勧めた裏に、そんな狙いがあっただなんて。
驚愕しながら両手を振ってアピールすると、社長は何故かニコニコと微笑む。
そして。
「これでも人を見る目はあるんでね」
自信満々に声に出したのだった。