スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-
まあ……確かに、居候させてる人間が高熱出してて放置しておくっていうのは人としてどうかなと思う。
でも、おかゆ作ってくれたりそばにいてくれたりするのは、識嶋さんが優しいからだ。
この優しさを、不器用なりにも会社でどんどん出してくれれば敵も少なくなるのに。
だって今、私は、こんな識嶋さんなら嫌いじゃないと思っているから。
「……汗、かいちゃったな」
識嶋さんのおかげか、熱のだるさはあまり感じない。
今のうちにシャワーで汗を流して来ようと、私は十数時間ぶりにベッドから降りた。