スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-


「西園寺は大学の後輩。さっき偶然会ってさ、久しぶりだし、飯でも行こうかって話になったんだよ。でも、俺たちこの辺りの飯屋は詳しくないから悩んでたらお前に会ったってわけ」

「そうなんですよ。孝太郎先輩とお会いするのはもう一年振りくらいです」


西園寺さんは口元に手を添えて楽しそうに笑っていて、私は二人に苦笑いを向けた。


「なんだ、私てっきりお邪魔しちゃ大変だと勘違いしてました」


そして、先輩のプライベートにずけずけと入り込んではいけないと変に気を張っていたせいか、いつの間にか固まっていた体の力が抜く。

恋人ではないならお昼を一緒にするのは全然問題ない。

でも、初対面でも大丈夫なのかと西園寺さんに確認すると、彼女は嫌な顔ひとつせず「ぜひ」と言ってくれた。

それならばと、私はこの近くにある美味しいステーキ屋さんに案内する。

ここはたまに私も友人とランチに訪れるお店で、上質な黒毛和牛をリーズナブルで提供している人気店だ。

テレビでも度々紹介されていて、店内に入り席についてからその話をしたら、どうやら相馬先輩もおぼろげに記憶の中に残っていたらしく。


「確か無煙のロースターを使ってるんだろ?」

「そうです、それです!」


そこからはしばらくどこの焼肉も美味しいだオススメだのという会話をしていた。


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