スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-
西園寺さんもステーキは嫌いではないようで、彼女のオススメのお店も教えてくれて。
初対面のはずなんだけど、西園寺さんと私の年齢が同じという親近感もあってか、とてもいい雰囲気で食事を楽しんだ。
美味しいランチでお腹が満たされ、店を出る前にと相馬先輩がお手洗いに立つと、西園寺さんが「あの」と話しかけてくる。
そして、少し恥ずかしそうにしながら。
「高梨さん、良かったら私とお友達になってもらえませんか?」
嬉しいお願いをしてくれた。
こんな可愛らしい女性から友達になって欲しいと言われて誰が嫌な気持ちになるだろうか。
私は快く頷き、ぜひ仲良くしてくださいと伝えると、早速携帯のメアドを交換する。
直後、相馬先輩がお手洗いから戻ってきて、私たちは会計を済ませると退店した。
西園寺さんはこれからお迎えが来てくれるとかで、私と先輩は彼女と別れると駅に向かって歩き出す。
昼時を過ぎた街は人出も多くなり、賑やかさが増していて。
人にぶつからないように歩みを進めつつ、隣で歩調を合わせてくれている先輩を見上げた。
「相馬先輩ってお友達多いですよね」
「そうか?」
「そうですよ。しかも、あんなに可愛らしい子とか、御曹司様とかレベル高いお友達が」
「あー、まあ、玲司はたまたまだけど、西園寺は大学がそっち系の奴が多いとこだしな」
だから自然とな、と続けた相馬先輩はお金持ちや有名人が多く通う大学出身だ。
ということは、つまり、西園寺さんもお金持ちか有名人の可能性が高いということなんだろう。