溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~
「待って、生吹さん」
「待たない」
「じゃあ電気を」
「消さない」
「せ、せめてベッドに」
「ここで」
固まっている私を見て、彼はふっと笑った。
「俺に見せてよ。光希の全部」
心臓が破裂するかと思った。
妖艶という言葉がぴったりの、際限のない色気を放出して、瀬戸くんは私を絡めとる。
唇を、耳を、指でなぞられ、至るところに熱い吐息を吹きかけられる。
肌が直接触れ合うと愛しさが込み上げた。
まるで儀式だと思った。
ふたりがひとつになるための、血を合わせるための儀式。
体温が溶けあい呼吸が乱れていくにつれ、瀬戸くんの心臓と私の心臓が同化したみたいに、同じリズムを刻みはじめた。