溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~
私の右手には、強く握り締めたせいでぺしゃんこに潰れた紙飛行機があった。
端のほうに『瀬戸生吹』と記名されているそれを取り上げて、瀬戸生吹はさらにぐしゃぐしゃに丸めた。
「なんでもやるって言うなら、西尾が、俺の生きがいになってみせてよ」
間近に見上げた彼の目は、虹彩がやたらと大きい。
満月みたい。
見るものすべてを魅了するような静かな瞳。
じっと見下ろされて、私は動けなかった。