とある夏の日のことだった
青空と太陽
人には言えない絶対叶わぬ恋だったから、晴れの日の太陽の眩しさは、時々俺の心を刺すみたいだった。
雨のがちょうどよかったのかもしれない。
そんな気持ちを知ってか知らずか、それでも君は青空が見えると「あなたに見せたい」と笑うから、その一瞬だけは痛みが引いた気がした。
思えば君はいつだって空を見上げていたね。
俺から見ると、それが君の癖みたいだった。
はたから見たら空を仰いで1人でニコニコしてそれに手をかざす君はかなり滑稽だったけど、手を伸ばしても届かないくらい遠くにある青空と会話をしているように見せる君が、俺は嫌いじゃなかった。