とある夏の日のことだった
今を素直に
離れたくないという気持ちが強くなればなるほど、君を縛っては苦しめて、現実の波が押し寄せては俺もまた苦しんだ。
このまま進もうとすれば、もうどうにもならないところまで行ってしまう。
そうして君と別れを決めたあの日、この世界が俺と君との愛を拒むなら、いっそ
無理心中でもして違う世界で存分に愛し合えればいいとさえ思ったんだ。
だけどそんなことを考える自分が、君の生きてきた精一杯の今までを壊してしまいそうで怖くて、「生きて」と言った。
そして一生分にも思えるキスを交わした。
君を一番困惑させる願いかもしれなくても、俺は君といた時間を消したくなかった。
君がいつも眺めているこの空の下で、いつまでも同じ想いを持って繋がっていると信じたかったんだ。
なぜだろう、こんなに時が経ったのに、君の香りだけは消えてくれない。
そして今でも、笑っちゃうほど愛してる。