君に溺れた
私はいつものようにバイトを終えて、家にいた。

夕方、玄関のインターホンがなった。

私は大地さんから、訪問者があっても出ないよう言われていたのでドアは開けなかった。

そのうち、鍵が開いて50代ぐらいの女性が入ってきた。

「あなたはどなた？家政婦さんかしら？こんな若い人を雇って大地も何を考えてるのかしら。」

「あっすみません。」

「今日大地はいつ戻る予定？」

「今日は、19時ごろだと思います。」

「そう。なら出直すわ。あなた、もうここには来なくていいわ。そのうち、うちのお嫁さんが出入りすることになるから。こんなに若い家政婦じゃあお嫁さんも目障りでしょ。大地には私から言っておくわ。」

「あ・・・はい。」

その人はたぶん大地さんのお母さんだろう。

私が大地さんの家に居候してる以上、私は大地さんの彼女にはなれない。

望んだらいけないこと。

辛いことを繰り返して、また繰り返して。

幸せが大きかった分、これをなくす怖さを知っている。

だから今できることを精一杯やろう。

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