君に溺れた
初デートから数日後、お母さんが訪ねてきた。

「あなた、大地のなんなの？」

「すみません。ここに居候させてもらっています。」

「まぁ随分と図々しいのね。あなたがいるから、大地はなかなかお見合いを承諾しないのね。大地は昔から女性には奥手で家に彼女を連れてきたこともない真面目な子だったのに。あなたが大地を誘惑したのね。汚ならしい。これ以上、大地に付きまとわないで。大地はこれからどんどん出世していくのに、あなたがいるんじゃ大地の将来が台無しよ。」

「・・・っ。」

「これ以上大地の足を引っ張らないで頂戴。今までお世話になったんだから、最後は大地のために私に協力しなさい。」

「・・・っ。はい。」

幸せな時間が終わる。

泣いてはいけない。

笑って。

辛い時こそ笑って。

そうすれば、周りも笑ってくれる。

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