君に溺れた
俺は真凛を探した。
働いていた新聞屋も、掃除の仕事も数日前に突然やめていた。
何の手がかりもない。
どうしたらいい?
夜、マンションに会いたくない両親が来た。
俺はイライラをいつになく表面に出していた。
「大地、先方のお嬢さんはもう一度会って下さると言ってるのよ。どれだけ失礼なことをしたかわかってるの?」
「・・・」
「大地、いい加減目を冷ましなさい。あんな素性のわからない子を居候させて、結婚する気でいたの?」
「・・・真凛のことを悪く言うのは絶対に許さない。」
「大地、あの子に騙されてるのよ。若い子はお金のためなら平気で体を売るわ。若さは一時なのよ。」
俺は思わずガラスの食器棚を叩いていた。
手から血がどくどく流れている。
俺はひどく冷静に母親を黙らせた。
「自分はどうなんだよ。若い男に言い寄ってたじゃないか。親父も俺も気づいてないと思ってたのか?なぁ教えてくれよ。家族が生活する場所で、不貞行為をする気持ちを。何でそんなことができるんだよ!お前がしてることがどれだけ家族を苦しめてるのかいい加減気づけよ‼」
「大地、やめなさい。」
「親父も公認ってわけ?中学生だった俺がどれだけ傷ついたかわかるか?何年も苦しんで、女性に触れることも30になるまで出来なかった。女性に体を触られると吐いてる俺が、唯一自分から触れたいと思った女性だった。歳は離れてたけど俺は本気なんだ。」
「・・・大地、お前・・・」
「もうほっといてくれ。俺が見合いして上手くいくはずないんだ。もう二度とここに来るな。」
「大地・・・手を」
「うるさい。触るな。」
母親と目が会う。
心配してくれてるのはわかるが、どうしてもあの時の光景が甦る。
俺は吐き気がしてトイレで吐いた。
母親が心配して近寄ってきた。
「もうわかっただろ!?これ以上俺を苦しめないでくれ。帰れよ‼もう二度とここに来るな‼」
両親が帰ったあと、俺は和島を呼んだ。
和島はすぐに状況を察して医師である栗田を呼んでくれた。
手の処置をして栗田は帰った。
栗田なりに気を使ってくれたようで、普段は底抜けに明るい奴だが今日は何も聞かずに帰った。
和島と二人になって、真凛がいなくなったこと伝えた。
「俺はただ側にいてほしかっただけなんだ。だけど、真凛は違ったみたいだ。俺を置いていってしまった。」
「大地、真凛ちゃんはお前といて幸せだったはずだ。」
「ならどうして何も言わずに出ていける!?」
「・・・お前にはあって彼女にないものって何かわかるか?」
「・・・?」
「お前はなんでも持ってるよ。仕事での地位も家族も。なら彼女は?今後もずっとお前が彼女を援助していく。それで彼女は幸せか?俺の知ってる宮島真凛という人は、誰かの側でただ守られて生きていくのを幸せだとは思わないはずだ。」
「・・・!!」
「お前は、お前の強いたかごに彼女をしまいこもうとした。結果、彼女を失った。」
「・・・俺はただ・・・」
「大地、彼女なら大丈夫だ。きっとまた戻ってくるよ。彼女が大人の女性になってまたお前の元に帰ってくる。今は待つしかない。」
「・・・こんなに苦しいのにただ待つしかないのか?」
「待つしかない。」
働いていた新聞屋も、掃除の仕事も数日前に突然やめていた。
何の手がかりもない。
どうしたらいい?
夜、マンションに会いたくない両親が来た。
俺はイライラをいつになく表面に出していた。
「大地、先方のお嬢さんはもう一度会って下さると言ってるのよ。どれだけ失礼なことをしたかわかってるの?」
「・・・」
「大地、いい加減目を冷ましなさい。あんな素性のわからない子を居候させて、結婚する気でいたの?」
「・・・真凛のことを悪く言うのは絶対に許さない。」
「大地、あの子に騙されてるのよ。若い子はお金のためなら平気で体を売るわ。若さは一時なのよ。」
俺は思わずガラスの食器棚を叩いていた。
手から血がどくどく流れている。
俺はひどく冷静に母親を黙らせた。
「自分はどうなんだよ。若い男に言い寄ってたじゃないか。親父も俺も気づいてないと思ってたのか?なぁ教えてくれよ。家族が生活する場所で、不貞行為をする気持ちを。何でそんなことができるんだよ!お前がしてることがどれだけ家族を苦しめてるのかいい加減気づけよ‼」
「大地、やめなさい。」
「親父も公認ってわけ?中学生だった俺がどれだけ傷ついたかわかるか?何年も苦しんで、女性に触れることも30になるまで出来なかった。女性に体を触られると吐いてる俺が、唯一自分から触れたいと思った女性だった。歳は離れてたけど俺は本気なんだ。」
「・・・大地、お前・・・」
「もうほっといてくれ。俺が見合いして上手くいくはずないんだ。もう二度とここに来るな。」
「大地・・・手を」
「うるさい。触るな。」
母親と目が会う。
心配してくれてるのはわかるが、どうしてもあの時の光景が甦る。
俺は吐き気がしてトイレで吐いた。
母親が心配して近寄ってきた。
「もうわかっただろ!?これ以上俺を苦しめないでくれ。帰れよ‼もう二度とここに来るな‼」
両親が帰ったあと、俺は和島を呼んだ。
和島はすぐに状況を察して医師である栗田を呼んでくれた。
手の処置をして栗田は帰った。
栗田なりに気を使ってくれたようで、普段は底抜けに明るい奴だが今日は何も聞かずに帰った。
和島と二人になって、真凛がいなくなったこと伝えた。
「俺はただ側にいてほしかっただけなんだ。だけど、真凛は違ったみたいだ。俺を置いていってしまった。」
「大地、真凛ちゃんはお前といて幸せだったはずだ。」
「ならどうして何も言わずに出ていける!?」
「・・・お前にはあって彼女にないものって何かわかるか?」
「・・・?」
「お前はなんでも持ってるよ。仕事での地位も家族も。なら彼女は?今後もずっとお前が彼女を援助していく。それで彼女は幸せか?俺の知ってる宮島真凛という人は、誰かの側でただ守られて生きていくのを幸せだとは思わないはずだ。」
「・・・!!」
「お前は、お前の強いたかごに彼女をしまいこもうとした。結果、彼女を失った。」
「・・・俺はただ・・・」
「大地、彼女なら大丈夫だ。きっとまた戻ってくるよ。彼女が大人の女性になってまたお前の元に帰ってくる。今は待つしかない。」
「・・・こんなに苦しいのにただ待つしかないのか?」
「待つしかない。」