君に溺れた
彼女が失踪して1年が経った。
俺も友人の和島も手を尽くして探した。
知り合いの探偵にも依頼して最初は都内だけだった範囲を今は全国に広げて探している。
だけど、何の進展もないまま時間だけが過ぎてしまった。
今日は高校時代の友人の結婚式で都内のホテルに来ている。
立食式の披露宴で、和島が声を掛けてきた。
「よお。」
「あぁ。」
「相変わらずそっけないな。まぁ良い知らせをしてあげれないから申し訳ないが。」
「そんなことない。十分すぎるほどやってもらってる。」
「お前・・まだ諦めないのか?」
「・・・。」
「もし仮に再会できたとしてどうする?向こうはそれを望んでるかな?」
「わからない。何にも役に立てなかったからせめて謝りたい。それだけだよ。」
「ふ~ん。」
「お前はこの件をもう降りてくれ。これ以上迷惑は掛けられない。」
「それは俺が決めるよ。俺だって、もう一度あの子に会いたいし。」
二人で神妙な顔で話していると、不気味なぐらい明るい口調で友人が声を掛けてきた。
「よお大地!!久しぶりだな。お前が来るとは思わなかったよ。なぁなぁ2次会行くだろ?」
「俺は行かない。」
「なんでだよ!?俺たちもう30だぜ?そろそろ結婚も考えないといけないだろ?新婦25歳だってよ!友達も可愛い子揃ってるじゃん。なっ!!お前が来ると来ないとじゃあ女の子の目の色も変わってくるんだよ。なっ頼むよ。」
「栗田、無理強いはするな。」
「なんだよ和島。昔は俺とつるんで合コンしまくってただろ?」
「何年前の話だよ。」
久しぶりに友人に会えて気分転換になった。
俺は新郎新婦に挨拶してホテルを出た。
栗田に最後まで引き留められたが和島がうまく対処してくれた。
帰りのタクシーの中で、俺はスーツの内ポケットから1枚のハンカチを取り出した。
ピンク色の生地にイニシャルが刻まれている。
「M・M・・・みやじま まりん」
いつ再会してもいいように常にポケットに忍ばせている。
彼女にもう一度会いたい。
会って最初に話すことは決めている。
和島には謝りたいと言ったが、それだけじゃない。
俺の気持ち。
1年で十分すぎるほどわかってしまった。
彼女への気持ち。
俺は彼女が好きだ。
彼女が失踪してから1日も彼女のことを思い出さない日はなかった。
仕事が休みの日は、彼女の生きてきた足跡を探して彼女が住んでいたアパートの周辺を歩いて回った。
彼女が通っていた小学校・中学校・高校。
彼女が住んでいたアパートの近くにあるファミレスや食堂、コンビニ。
何度も何度も通っているうちに食堂のおばちゃんには顔を覚えられた。
お願いだから、生きていてくれ。
もう一度笑顔が見たい。
心の中で何度も祈った。
俺も友人の和島も手を尽くして探した。
知り合いの探偵にも依頼して最初は都内だけだった範囲を今は全国に広げて探している。
だけど、何の進展もないまま時間だけが過ぎてしまった。
今日は高校時代の友人の結婚式で都内のホテルに来ている。
立食式の披露宴で、和島が声を掛けてきた。
「よお。」
「あぁ。」
「相変わらずそっけないな。まぁ良い知らせをしてあげれないから申し訳ないが。」
「そんなことない。十分すぎるほどやってもらってる。」
「お前・・まだ諦めないのか?」
「・・・。」
「もし仮に再会できたとしてどうする?向こうはそれを望んでるかな?」
「わからない。何にも役に立てなかったからせめて謝りたい。それだけだよ。」
「ふ~ん。」
「お前はこの件をもう降りてくれ。これ以上迷惑は掛けられない。」
「それは俺が決めるよ。俺だって、もう一度あの子に会いたいし。」
二人で神妙な顔で話していると、不気味なぐらい明るい口調で友人が声を掛けてきた。
「よお大地!!久しぶりだな。お前が来るとは思わなかったよ。なぁなぁ2次会行くだろ?」
「俺は行かない。」
「なんでだよ!?俺たちもう30だぜ?そろそろ結婚も考えないといけないだろ?新婦25歳だってよ!友達も可愛い子揃ってるじゃん。なっ!!お前が来ると来ないとじゃあ女の子の目の色も変わってくるんだよ。なっ頼むよ。」
「栗田、無理強いはするな。」
「なんだよ和島。昔は俺とつるんで合コンしまくってただろ?」
「何年前の話だよ。」
久しぶりに友人に会えて気分転換になった。
俺は新郎新婦に挨拶してホテルを出た。
栗田に最後まで引き留められたが和島がうまく対処してくれた。
帰りのタクシーの中で、俺はスーツの内ポケットから1枚のハンカチを取り出した。
ピンク色の生地にイニシャルが刻まれている。
「M・M・・・みやじま まりん」
いつ再会してもいいように常にポケットに忍ばせている。
彼女にもう一度会いたい。
会って最初に話すことは決めている。
和島には謝りたいと言ったが、それだけじゃない。
俺の気持ち。
1年で十分すぎるほどわかってしまった。
彼女への気持ち。
俺は彼女が好きだ。
彼女が失踪してから1日も彼女のことを思い出さない日はなかった。
仕事が休みの日は、彼女の生きてきた足跡を探して彼女が住んでいたアパートの周辺を歩いて回った。
彼女が通っていた小学校・中学校・高校。
彼女が住んでいたアパートの近くにあるファミレスや食堂、コンビニ。
何度も何度も通っているうちに食堂のおばちゃんには顔を覚えられた。
お願いだから、生きていてくれ。
もう一度笑顔が見たい。
心の中で何度も祈った。