君に溺れた
俺はこれまで、兄として抑えていた欲望を抑えるのをやめた。

兄ではなく、男として見られたい。

例え、今までの関係を失ってもいい。

何もしないでただあいつに真凛を好きにさせるのは我慢できない。

家に帰ると母親が尋ねてきた。

「今日真凛ちゃんの誕生日じゃなかった?お祝いに行ってるのかと思ったけど違うの?」

「・・・」

「あんた、もしかして振られた?」

「・・・」

「何やってんのよ。38にもなって意気地無しだね。」

「うるさい。」

「はぁーせっかく可愛い娘ができたと思ったのに。あんたがもたもたしてるから。」

「・・・まだこれからだよ。」

「ふ~ん。いよいよ本気になるんだね。よしっ。お母さんが協力する。」

「絶対やめて。」

「何よ~私のほうがあんたより真凛ちゃんのこと知ってるからね。」

「へー。」

母さんはまだ何か言ってたけど、無視して部屋に入った。

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