君に溺れた
レストランの個室にはすでに友人たちが集まっていた。

「よぉー大地、遅かったな。」

「あぁ。」

「あれ?彼女は?」

「今日体調が悪くなって来られない。」

「えーなんだよ。楽しみに来たのに。」

「栗田、いいじゃないか。大地に彼女ができただけでも奇跡なんだ。今日は俺たちだけで楽しもう。」

「ちぇ。和島と大地ってそんなに仲良かったか?」

「なんだよ。焼きもちか?」

和島のフォローにいつも助けられる。

みんなが盛り上がってる中、俺は真凛のことを考えていた。

「真凛ちゃん、どうかした?」

「・・・男に無理矢理キスされてた。」

「!?」

「強引にアプローチされたみたいだ。動揺してたんで置いてきた。」

「お前も大変だな。真凛ちゃん、これからどんどん綺麗になってくよ。捕まえておくのが大変だ。」

「・・・俺には真凛しかいない。真凛がいなくなったら、生きられない。」

「俺はお前が羨ましいよ。それだけ一途に人を好きになれて。」
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