君に溺れた
side～真凛～
大地さんのマンションを出てから私は自分のマンションに戻ってきた。

夜、大地さんが仕事を終えて来てくれるから食材を買いにマンションを出る。

階段を降りていると、後ろから押された。

私は足を踏み外して階段から落ちてしまった。

痛みで動けなくなっているところを隣のお姉さんが見つけてくれて救急車を呼んでくれた。

病院に運ばれると佐藤先生が手術着のまま病室に来てくれた。

「真凛！何でこんなことになったんだ！？」

「・・・大丈夫。たいしたことないよ。」

「何が大丈夫だ！？左手の骨折に、頭も数針縫ってるんだぞ！？誰かに後ろから押されたんじゃないのか？」

「・・・」

「真凛！」

「佐藤先生、本当に大丈夫だから心配しないで。仕事に戻って。」

佐藤先生に本当のことを言っていいのかな？

一瞬見えた。

女の人だった。

とても怖い顔をしてた。

大地さん、早く会いたいよ。
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