君に溺れた
朝からずっと動いていた。

気づくと大地さんはいなくて、一呼吸しようとソファに座ったら急に吐き気がした。

私はトイレに駆け込む。

朝から何も口にしてないから出るものもないんだけど、吐き気が治まらない。

大地さんが帰ってきて、心配している。

やっとの思いでトイレを出てソファに座る。

私はそこでハッとした。

そう言えば、先月生理来てない。

念のため手帳で確認する。

風邪のような体のだるさ、吐き気、生理の遅れ。

私はドラッグストアで検査キットを買って調べた。

トイレから出ると大地さんが不安げに見ている。

赤ちゃんができたことを伝えると、大地さんは私を抱き締めて喜んでくれた。

大地さんは私のお腹に耳を当てている。

まだ動くわけないのに、お腹に耳を当て、擦ってくれる。

満面の笑みで私に笑いかけてくれる大地さんが可愛くて、私は大地さんの顔を両手で包んでキスをした。

「大地さん、好きです。」

「俺も好きだ。」

幸せを二人で感じあった。
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