君に溺れた
「なぁ竜哉。今日学校のあと合コン行かないか?」

「・・・」

「おい、聞いてるか?」

「あぁ。」

「なんだよ。ノリ悪いな。今日の相手はナースだぞ!」

「ふ~ん。」

俺は昨日の女の子を思い出していた。

肩まであるセミロングの髪を緩く巻いていた。

小柄だけど、色気があったし、何より笑った顔がとても可愛かった。

絶対20代前半ぐらいだ。

お金目当てで親父に近づいたのか?

でも親父はくそがつく真面目な人間だ。

母さん以外に遊びで付き合うなんて考えられない。

でも親父も男だ。

若い子に誘惑されたら断らないだろう。

別に親父が誰と遊ぼうが構わない。

ただ、親父のことより女の顔を思い出していた。

笑った顔が忘れられない。
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