君に溺れた
真凛さんとの再会は突然だった。

俺は突然とフットサルをしていて、足を骨折した。

救急車で運ばれ、都内の病院に入院することになった。

整形外科病棟に入院して最初の夜、夜勤で担当してくれたのが真凛さんだった。

「名前をみて、もしかしてと思ったんだけど、やっぱり三石くんだった。」

「真凛さん、ここで働いてたんですね。」

「うん。まだ新人。この前の合コンは先輩に強引に連れていかれたの。体調も良くなかったしあんまり話せなかったね。私のこと覚えてた?」

「もちろん、連絡先教えてくれなかったから連絡できなかったけど、また会いたかった。体調はもういいの?」

「うん。ありがとう。」

真凛さんと話をしてると、母親が面会に来た。

「竜哉、大丈夫なの?」

「母さん、大丈夫だよ。」

「もう、大きくなっても心配かけて。看護婦さん、竜哉はどんな具合かしら?」

「大丈夫ですよ。念のため数日入院になりました。詳しくは主治医から説明しますね。」

「はい、親切にありがとうございます。」

親父の不倫相手って知ったら、母さんどうするだろう。

俺とも面識があると知ったら怒るだろうな。

真凛さんは検温をして、ギプスをした足の様子を観察して部屋を出た。

しばらくして主治医の先生がきて、足のレントゲンを見せながら説明してくれた。

明日から松葉杖の練習をして、松葉杖が使えるようになったら退院できるそう。

母親は安堵した様子で帰って行った。

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