君に溺れた
真凛から男もののコロンの香りがした。

まさか。

父親に会ってたんだろう。

もしくは医者か。

はぁー。

何で俺はこんなに心が狭いんだ。

確かめるにしても、どうやって?

あー。

しっかりしろ。

次の日の夜、俺は友人たちに結婚を報告した。

結婚を報告したのに浮かない表情をしているので、和島が声をかけてきた。

俺は真凛から男もののコロンの香りがしたことを話した。

「真凛ちゃんに限ってそれはないだろう。」

「そうだよな。」

「・・・まぁ真凛ちゃんは可愛いから、周りの男がほっておかないから無理矢理抱き締められたとかかも。」

俺は和島の言葉に黙ってしまう。

いつの間にか近くで話を聞いていた栗田が言いづらそうに話し出す。

「俺さ、うちの看護師が噂してるの聞いたんだけど、真凛ちゃん、10代の入院患者と会ってるみたいだぞ。」

「!?」

「看護師の話では合コンで知り合ったとか言ってた。この前そいつが骨折で入院したんだ。金持ちのイケメンって看護師が騒いでた。」

「合コン!?」

「真凛ちゃん、あの容姿だし、底抜けに明るいから患者さんからも人気だよ。この前も息子の嫁にって見合い写真持ってきた人もいたし。」

「・・・」

「真凛ちゃん、選び放題だよなぁ。」

「おい、栗田。そのぐらいでいいだろ。」

「あ!すまん。ただ俺が言いたいのは、しっかり捕まえておけってこと。」



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