春恋。
「桜羅ちゃん、いらっしゃい。」

この方は私の担当医師の 栖川 真哉(すがわ まさや)先生。

小さい頃からずっとお世話になっている。
優しい笑顔で、いつも支えてくれる。

「…今日は先月の検査結果の報告だね。」

一瞬悲しそうな顔をした。
話すのを躊躇ってる。

聞きたくない…怖い…。
戸惑っててももう未来は、変わらない。

「先生。悪かったんですよね…。
私に残された時間はあとどれくらいですか?」

「…もって半年だろう。
そして、これから症状はでやすくなると思う。薬では抑えられない頭痛、吐き気、腹痛
酷い時には発作も起こると思う」

「……っ。」

でも、半年…か。
うん…分かってた。
小さい頃から高校は越せない可能性があるって言われてきた。
分かってた…、

大丈夫。知ってる。

……大丈夫。
なのに、なんでこんなに涙が溢れるんだろう。
「うっ…うぅぅっ…うわぁ…うわぁぁぁぁぁぁぁっ…っ」

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