春恋。
お母さんに伝えないと…
ごめんなさいって。

何も出来なくて、迷惑かけてばっかりでごめんなさいって…


家に帰るとお父さんもお母さんも優海も居た。

お父さんとお母さんはピリピリした雰囲気で、優海はどうしたんだろうってハテナを浮かばせている。
…こんな心配ばっかりかけてしまうお姉ちゃんでごめんね。

「ただいま」

私はそう言うとお父さんとお母さんが待ってたように、一斉にこちらに振り向いた。

「桜羅…!!
おかえりな……」

多分、目が真っ赤に腫れた私の顔を見て察したのか、さっきの雰囲気とは違い悲しそうな、とても言葉では言い表せない程寂しそうな顔をしている。

ごめんなさい…。
そんな顔をさせてしまって…ごめんなさい…っ。

「お父さんお母さん。どうしたの?
桜羅お姉ちゃんもどうして泣いてるの?」

優海…
こんな情けないお姉ちゃんで、ごめんね…っ。
私は声を振り絞った。
もう未来から避けることは出来ない。
しっかり、伝えないといけないんだ。

「お母さん。お父さん。優海。
私の命は後は半年だそうです...っ。
ごめ...っ、んなさいっ...」

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