春恋。
『ピーッ』試合を開始する笛がなる。

できるだけ迷惑かけないように、倒れないように、パスを回すことを中心にしよう。

「桜羅!」
「はいっ!」

コミュニケーションを取りながら、試合を進めていく。
いける。いい感じ。大丈夫。

5分経って残り1分。
あと1分。
…なのに、なのに。足がガクガクする。
目が霞んで、たてない。
意識も、必死に保ってるけど言うことを聞いてくれない。


怖い、寂しい、辛い。
病気の第一進行でしかないのに、
恐怖で涙が出てくる。

もう無理…ダメ、だ……。



誰か…………助け……____。







「おい!桜羅っ!!!」


誰かが言い残したこの声を最後に、意識を飛ばした。
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