春恋。

✩桜羅side✩

あれ、ここどこ…?

あ、確か。体育の授業中倒れたんだ。

立ち上がろうとすると、何かを考えている青空くんが目に入った。

「青空くん…?」

なんで青空くんが…?

「すげぇ、間抜けな顔だな。
いきなり試合中倒れたから、ここまで連れてきた。」
と、笑いながら教えてくれた。

笑うなんて、失敬な!

やっぱり、倒れたんだよね。私。
悔しくても、病気は進んでいる。
薬で抑えられていたからか、あまりこういう風に体に出ることは無かった。

倒れる時、このまま死んじゃうのかなって怖くなった。
凄く怖かった。
死んじゃうんじゃないかなって。
こんなにも呆気なく死んじゃうんだ、って。

こんなの病気の進行の1歩に過ぎないのに。

死にたくない…生きたい。
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