君の見る世界は僕の見る世界とだいぶ違うみたい

きみは誰？

｢はぁ。見回りするかぁ。｣
松坂朔は、ゆっくりと座っている椅子から立ち上がり、休憩室を出て小さなデパートの警備員のバイトを開始する。
壁にぶら下がってる懐中電灯を手に持ちデパートを見回る。
下から1階、2階、3階、４階と順に
見回り最後に屋上へ行く。

すると屋上の一番高いところに
1人誰かいる。

月明かりによってハッキリとは誰かはわからないが女の人であることは確かだった。
その女の人は手すりに手をかけ座っていた

｢あの、もう閉店時間ですよ？｣

恐る恐る彼女へ近づきながら、
懐中電灯を彼女に当てようとすると。

｢ねぇ？この世界は愚かだと思う？
この世界は狂ってる？ねぇ？どう思う？｣

彼女はその場を立ちゆっくりと
朔に近づいてくる。
何か強い違和感を感じ、
彼女に手に持っている懐中電灯を
当てることが出来ない。
恐る恐る勇気を出し彼女に懐中電灯を当てようとすると懐中電灯を持っている手を
叩きつけるように強風が吹く。

朔は懐中電灯を持っていた手を
離して顔に手を当てる。
ガッチャンｯコロコロ
懐中電灯が落ちる。
バランスを崩し座り込むと
目を開けるとそこには
もう彼女の姿は無かった。
朔は慌てて屋上中を探し回る。
だが、彼女は見つからない。
(えっ。。。もしかして幽霊か！！)
恐怖に駆られて慌てて休憩室まで走った。