私に1番近いキミ。
2.定期考査
「あぁぁぁぁぁ、鬱だ。」
「そーねー。」
「そもそもなんで数時間分の学習の出来を!!たかが1枚の紙っぺらで!たったの50分間で!
評価されねばならぬのだろうか…点数がすべての世界なんて…そんな汚い世界ッ!!
あたしは信じないぞぉぉぉ!」
「まぁ、残念ながらその汚い世界に生を受けた以上抗えないこともあるんだよ。
諦めも肝心って…いうでしょ??」
「くそぉぉぉぉぉ!!」
さっきから私の目の前で、すぐそこに控えている中間考査への不満をぶちまけている女の子。
佐河 美詞«さがわ みこと»。
保育園。中学、高校と小学校時代を除いて私の成長過程をほぼ知っている腐れ縁。
中学時代の部活も同じ。高校での学科も部活も同じ。
極めつけはバイト先まで同じ。
顔を合わせない日は全くといって無い、家族よりも下手すれば過ごす時間が長い相棒。
性格も容姿も私とはまったくもって正反対。
テスト期間は放課後も休日も毎日一緒にお勉強。
「てゆーかぁ、なんでほんと夢月はそんな余裕なんだ!少しはわけろ!」
「勉強なんて、授業さえちゃんと受けてれば平均以上はとれるから。」
「うぅぅ、、体育なら味方につけられるのに。」
「そだね~、でも泣き言ゆったってしゃーないでしょ。とりあえずペン動かせペン。」
こういうところも本当に逆。
美詞は運動神経抜群。頭の方はまぁ、悪くはなくても…うんって感じ。笑
私は運動音痴とまでは言わなくても球技全般のセンスが皆無。勉強は常に成績上位を保ってる。