私に1番近いキミ。
それはこれ以上踏み込んでくんなよのサインだったのだけれど、こいつには通用しない。
「誤魔化しとかいらないから。
そーやって本気で悩んでる時ほど、夢月ふざけたりヘラヘラして隠す。悪い癖。」
ビシッ。
「痛っ。」
図星をつかれ、さらにはデコピンまでくらい二重の意味で痛い。
俯いた顔をあげれない。
ずるい。ずるいよ雪生は。
人の話も聞いてないようで聞いてるし、見て欲しくない細かいところまで私を見てくれてる。
「俺、なんかした?
お前に無視られるとか…デリケートな雪生くんは結構傷つくんですけど。」
こーやって真剣な話してても空気重くなんないようにふざけるし。
…ほんと敵わない。
「なんか、危険物の日。
雪生に私話しかけよーとしたんだけど、周りに人がいっぱいいて…。
私のこと、当たり前なんだけど!…雪生は全然見てなくて。気付かなくて。
初めて雪生が遠い存在に思えて、なんか、っや、だったの。それだけ。」
「あのさぁ…?
それって── いや、なんでもない。」